白鳥麗王でございます

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腸内フローラでも作られる乳酸の話 ~酸だけに良い作用もあるが悪い作用もある

さて、乳酸の話・第二弾。

今回は 「腸内で作られる乳酸」 にフォーカスします。

飲む乳酸菌飲料はパス、また今度。

乳酸菌とビフィズス菌が作る乳酸

まず大前提として、乳酸は乳酸菌だけが作るわけではありません。

ビフィズス菌も乳酸を作ります。

「えっ、乳酸菌とビフィズス菌って同じじゃないの?」

と思っている人、多くない?

 

でも実は 代謝も住んでいる場所も、まったく別物なんです。

服で例えると、

乳酸菌→原始人の服

(LDHで単純発酵 EXILEじゃねーよ)

ビフィズス菌→シャネル

(ビフィドシャントで洗練された代謝)

 

要は、ビフィズス菌は エレガント なんです。

ここからは、両者を“住んでいる場所・好物・作るもの”で整理します。

乳酸菌(Lactobacillus)

1.住んでいる場所:小腸

ここは酸素が少しあるので、乳酸菌がギリ生きられる場所。

2.好物:単糖・二糖

グルコース

フルクトース

ガラクトース

乳糖

スクロース

マルトース など、いわゆる“甘いもの”が大好き。

 

3.産生物:乳酸(Lactate)

グルコース1分子 → 乳酸2分子。

彼らにとっては乳酸は排泄物 です。

 

腸内では乳酸は 乳酸アニオン(Lactate⁻)とプロトン(H⁺) に分かれています。

乳酸アニオン:大腸へ流れ、酪酸菌のエサになる

プロトン(H⁺):小腸では粘膜を刺激しやすい

 ※大腸に届く前に多くは中和される

小腸は酸に弱い臓器なので、H⁺は“迷惑者”になりがちです。

 

ビフィズス菌(Bifidobacterium)

1.住んでいる場所:大腸

完全嫌気環境。

ここはビフィズス菌のホーム。

2.好物:オリゴ糖

ビフィズス菌は下記のようなオリゴ糖分解酵素を豊富に持っています。

FOS分解酵素

GOS分解酵素

イヌリン分解酵素(種類による)

HMO分解酵素

多糖分解酵素(種類による)

だからオリゴ糖を摂ると、ビフィズス菌は

「キター!オリゴ糖やん♡」

と爆速で増えます。

 

3.産生物:乳酸+酢酸

ビフィドシャントでは

グルコース2分子 → 乳酸2分子+酢酸3分子

これらも腸内ではアニオンとH⁺に分かれます。

 

乳酸アニオン:酪酸菌のエサ

酢酸アニオン:大腸上皮や酪酸菌のエサ

大腸上皮は酪酸を最優先で使うので、酢酸は“補助燃料”として扱われ、余りは全身に送られます。

プロトン(H⁺):局所的に悪玉菌を弱らせる“弱酸バリア”

こいつが次に述べる腸内で2面性を発揮します。

 

乳酸の2面性

乳酸はヒドロキシ基(–OH)がカルボキシ基の酸性度を強めるので、 酢酸より約10倍プロトンを放出しやすい“強い酸”です。

つまり酸性度が酢酸の約10倍。

 

しかし、ヒドロキシ基があるせいでC3骨格にも関わらず、短鎖脂肪酸SCFAの仲間に入れてもらえません。

ハネにされてます。

入れてやれよ。

 

このプロトンが悪玉菌に対しては殺菌作用という良い作用をする。

これが悪玉菌の悪行を抑え腸内を健康にすると言われているヤツ。

 

しかぁ~し、善良なる善玉菌もそうしてしまう。

 

これですよ、2面性。

 

ていうか、同じ作用ですけど。

京都府立大・内藤先生は「便秘の人はビフィズス菌が多かった」と言っていますが、そこらがあるようです。

 

次回予告

次回は、がんが作る乳酸の話です。

腸内の乳酸なんて、百歩譲って便秘につながるとしても

正直かわいいもんです。

(いや、全然かわいくないが)

 

がんが作る乳酸は── がんの周囲の環境をオレ様(がん)中心に塗り替える“化け物”です。

そして、今回チラッと出てきた LDH。

あれ、実はがんが乳酸を吐き出すためにフル稼働させてる酵素 でもあります。

健康診断でも測定される指標ですが、がんのマーカーでもある。

お楽しみに。