COXの働きを抑える鎮痛薬(NSAIDs)の話になります。
比較にステロイド薬の話も。
- COXから見た鎮痛薬のタイプ
- 主にCOX-1に効くタイプ
- 主にCOX-2に効くタイプ
- 両方に効くタイプ
- アセトアミノフェン
- ドラッグストアなどで市販されている鎮痛薬
- 抗炎症作用における鎮痛薬(NSAIDs)とステロイド薬の比較
- 鎮痛薬とステロイド薬に共通している効果
- ステロイド薬のみにある効果
- ステロイド薬の抗炎症作用以外の作用
COXから見た鎮痛薬のタイプ
鎮痛薬(NSAIDs)は主にCOX-1に効くタイプ、COX-2に効くタイプ、両方に効くタイプがあります。
主にCOX-1に効くタイプ
主にCOX-1に効くが、COX-2にも効くと言われています。
主にCOX-2に効くタイプ
作用の強い順は次のようと言われています。
セレコキシブ>エトドラク>ジクロフェナク
これらは処方薬なので、医師に処方してもらわないと手に入りません。
(これらの薬は、がんは処方対象となっていません。欲しいのだが。。。)
両方に効くタイプ
COX-1とCOX-2に同等に効くと言われています。
よって、これを選んだんだが。。。
アセトアミノフェン
アセトアミノフェン(パラセタモール)も鎮痛薬で、 COX-1やCOX-2にも効くそうですが、むしろ脳の中枢神経に働いて感覚をマヒさせる薬と言われています。
ドラッグストアなどで市販されている鎮痛薬
ドラッグストアなどで市販されている鎮痛薬は、
1)主にCOX-1に効くタイプの薬剤
(アスピリン、ロキソプロフェン)
2) COX-1と2に効くタイプの薬剤(イブプロフェン)
4) COXに効くタイプの薬剤+アセトアミノフェン
の4通りのパターンがほとんどのようです。
最もマイルドな鎮痛剤はアセトアミノフェンのみと言われ、子供や老人に適していると言われています。
それでも、医療専用サイトでは副作用情報がかなり出ていますので、ナメてはいけません。
4番目のCOXに効くタイプの薬剤+アセトアミノフェンは相乗効果により最も良く効くと言われています。
最も売れているのもこのタイプか?
下に↓厚労省に鎮痛薬の一覧表があります。
参考になります。
お勧めです。
抗炎症作用における鎮痛薬(NSAIDs)とステロイド薬の比較
図のように抗炎症作用において鎮痛薬とステロイド薬に共通している部分とステロイド薬のみが有する抗炎症作用があります。
ゆえにステロイド薬は最強レベルの抗炎症薬と言われています。
鎮痛薬とステロイド薬に共通している効果
抗炎症作用において鎮痛薬とステロイド薬に共通している部分は、両者とも最終的にプロスタグランジンを産生させない点です。
鎮痛薬(NSAIDs)はCOXの働きを阻害してアラキドン酸からプロスタグランジンを産生させない。
よって痛みは減弱されます。
他方ステロイド薬は、そもそもアラキドン酸を産生させません。(細胞膜にあるアラキドン酸が切りだされて細胞質に入ることを阻害する。)
アラキドン酸が無いので、COXは存在してもプロスタグランジンは産生されない。
よって痛みは減弱される。
と言うわけです。
ステロイド薬のみにある効果
ステロイド薬は炎症性タンパク質を産生させにくくするので、炎症を減弱させると言われています。
(NF-κB、IL-1、IL-6、TNF-αなど炎症性タンパク質の産生を抑えることで、炎症を減弱させると言われている。)
鎮痛薬(NSAIDs)が持ってない作用です。
つまりステロイド剤はWの効果で炎症を強力に鎮める訳です。
ゆえに最強レベルの抗炎症薬と呼ばれます。
しかしメディエイターや炎症性タンパク質は炎症だけに必要ではなく、細胞の正常な働きにも必須ですので、ステロイド薬はいろいろな副作用が出ます。
ステロイド薬の抗炎症作用以外の作用
そしてステロイド薬は抗炎症作用のほかに、ほとんどの器官において代謝作用に影響を与え、その作用の種類は数百や数千にも及ぶと言われています。
ですので、
「恐ろしいクスリ」
と言われるのも納得します。
例えば、
肝臓での糖新生やタンパク質産生、中性脂肪やコレステロール産生促進
筋肉でのタンパク質分解
脂肪組織での中性脂肪産生低下
骨組織での骨形成の抑制
などに影響を与えるそうです。
詳しくは生理学などの本に記載があると思います。
結局、ステロイド薬は副作用が前提となる薬で、それを押さえながら使用する薬のようです。
これらの作用はステロイドが核内に入り、それぞれの器官ごとの遺伝子を活性化させることによるそうです。
適用される遺伝子が数百や数千あるとか。。。
このように核内に入り、遺伝子を制御する薬剤は少ないようです。
専門家でないので、それ以上は知りません。
以上、鎮痛薬とステロイド薬の話でした。
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